自動で「ブラウザ操作」可能なAIエージェント主要4社比較

近年のAI技術の急速な発展を背景に、AIがブラウザを直接操作する技術が広がり、これまで人が手で行っていた画面上の作業が自動化できるようになってきました。
情報収集、入力、転記、ダウンロードなど、日々の業務の多くはブラウザ上で行われており、その操作をAIに任せる動きは、すでに企業の実務でも広がりつつあります。
負担が増し続けるバックオフィス業務や、複数SaaSをまたいだルーチン作業を効率化する手段として、AIによるブラウザ操作AIは実用レベルで採用され始めています。
現在、この分野では複数のサービスが登場しておりますが、本記事では代表的なソリューションとして以下の4つを紹介します。
① SamuraiAI(サムライエーアイ)
② ChatGPTエージェント
③ Browser Use(ブラウザ ユース)
④ Project Mariner(プロジェクト マリナー)
これらは、いずれも「AIがブラウザを操作する」という点は共通していますが、仕組みや得意分野、実務での使われ方には違いがあります。
中でも「SamuraiAI」は、企業での業務利用を前提にした設計が特徴で、実際のブラウザを使った高度な自動化を安定的に実現しやすい点で企業導入に適した選択肢です。
本記事では、ワークフロー型AIエージェント「SamuraiAI」の開発を手がける株式会社Kivaに所属する筆者が、AIによるブラウザ操作の基本概念から、メリット、活用例点までを整理し、実務での活用イメージをつかめるように解説していきます。
AIエージェントがブラウザを操作する仕組み
まずは、AIエージェントがどのようにブラウザを自動操作しているのかについて解説します。以下は、その仕組みを簡略化した図解です。
◆AIエージェントによるブラウザ操作の簡略図

例えば、ユーザーが「来月のホノルル行きのフライトを予約して」と依頼(目標設定)すると、AIエージェントはまずその意図を理解し、次に画面を見ながら「どのページへ移動すべきか」「どの入力欄に何を入れるか」「どのボタンを押すか」といった操作手順を判断します。
そして、この判断内容をブラウザ操作の命令へ変換し、ブラウザへ届ける役割を担っているのが自動化インターフェースです。これはツールによって名称や構造が異なりますが、本質は「AIが考えた操作を実際のブラウザ動作に変換するレイヤー」と捉えるとイメージしやすいでしょう。
AIはこの自動化インターフェースを通じて画面の操作を進め、完了した結果をユーザーへ返します。これがAIエージェントによるブラウザ自動化の基本構造です。
ブラウザ操作の方式は「ローカルブラウザ操作型」と「仮想ブラウザ操作型」の2種類
AIエージェントがブラウザを操作する方式には、大きく分けて「ローカルブラウザ操作型」と「仮想ブラウザ操作型」の2種類があります。いずれも前述の仕組みをベースにしていますが、どのブラウザを操作するか、どこで動くかによって性質が大きく変わります。
◆2種類のブラウザ操作方式の違い
操作するブラウザ | メリット | デメリット | |
|---|---|---|---|
① ローカルブラウザ操作型 | ChromeやSafariなどリアルなブラウザ | 実用性が高く業務に導入しやすい | OS依存、安定性に課題がある |
② 仮想ブラウザ操作型 | AI専用のクラウド上のブラウザ | 安全・セキュア・ブラウザ変更に強い | ユーザー環境の細かな操作が苦手 |
①の「ローカルブラウザ操作型」は、ユーザーのPCにあるChromeやSafariなどの既存のブラウザを直接動かすため、現場のワークフローにそのまま馴染みやすいのが特徴です。
一方で、OSの違いやブラウザバージョンに影響されやすく、安定稼働をさせるには環境整備が必要になる場合があります。
一方、②の「仮想ブラウザ操作型」はクラウド上にAI専用のブラウザ環境を用意し、そこで操作を完結させる仕組みです。ローカル環境に依存せず安全性が高く、ブラウザ更新の影響も受けにくいという強みがあります。
ただし、企業内でしかアクセスできないサイトや、ユーザー環境に特有の設定を必要とする操作には弱い場合があります。各方式は、どちらが優れているというよりも、用途や環境、求める安定性によって選ぶべき方式が変わります。
ブラウザ操作が可能なAIエージェント4選
AIによるブラウザ操作は、ここ数年で急速に実用化が進んでおり、特にエージェントがウェブページを理解し、自律的にクリック・入力・遷移を行う仕組みを提供するツールやフレームワークが次々に登場しています。
ここでは、下記の主要な4つのAIエージェント(またはブラウザ操作エンジン)を紹介します。
◆ブラウザ操作を実現する4つのAIエージェント
① SamuraiAI(サムライエーアイ)
② ChatGPTエージェント(旧:OpenAI Operator)
③ Browser Use(ブラウザ ユース)
④ Project Mariner(プロジェクト マリナー)
それぞれがどのような強みを持つのか、以下に詳しく解説します。
① SamuraiAI(サムライエーアイ)

株式会社Kivaが提供する「SamuraiAI」は、自然言語で指示するだけでブラウザをはじめとするPC操作を自動実行できるワークフロー型AIエージェントです。
専用ブラウザを搭載し、ウェブサービスへのログイン、フォーム入力、データ抽出、レポート作成、ファイル操作など、日常的に発生するブラウザ作業を自然言語ベースで任せられるように設計されています。
多くのブラウザ自動化ツールが、手動で作った操作フローをなぞるだけの仕組みであるのに対し、SamuraiAIは自然言語で意図を伝え、GUIワークフローで整理し、AIの判断力で柔軟に動作する次世代型のアプローチを採用している点が大きな違いです。
◆SmuraiAIの主な特徴
・ブラウザ操作に特化した「GUI操作型」AIエージェント
・ノーコードでワークフローを構築でき、非エンジニアでも扱いやすい
・事務作業、経理、営業、マーケティングなど幅広い業務で利用可能
・Windows/Macアプリに加えウェブ版も提供され、導入ハードルが低い
・高精度LLMと連携し、判断が必要なタスクにも対応
既存の業務フローに無理なく組み込める「現場即戦力」としての扱いやすさは、他の技術系エージェントとは異なる魅力です。ブラウザ上で毎日繰り返すルーティン作業や、複数サービスをまたぐ煩雑なオペレーションをそのままAIに渡せるため、業務現場で最も導入効果を感じやすいツールです。
◆料金プラン
・Personal:無料(無料クレジット超過分は従量課金)
・Business:月額 29,800円
・Enterprise:問い合わせ
② ChatGPTエージェント(旧:OpenAI Operator)
ChatGPTエージェントは、AIが仮想ブラウザを通じてウェブ上の操作を自動実行できるエージェント機能です。画面を読み取り、ボタンのクリックやフォーム入力、スクロール操作など、人間のブラウザ操作をそのまま模倣できます。
例えばフォーム入力、オンライン注文、予約、ウェブサイトでの情報入力・送信など、反復的または定型的なウェブタスクを、APIの有無にかかわらず自動で実行できるのが特徴です。
この仕組みは、同社が「Computer‑Using Agent (CUA)」と呼ぶモデルが軸になっており、視覚(画面の中のGUI)と論理的判断を併せ持つことで、単純な自動化ではなく、状況を見て適応するエージェントの動作を実現しています。
なお、この機能は当初 「OpenAI Operator」として提供されていましたが、現在はChatGPTに統合され、「ChatGPTエージェント」として提供されているため、単独のプロダクトとしての提供は終了しています。
◆料金プラン
Plus:月額 20ドル
Pro:月額 200ドル
Business:月額 25ドル
Enterprise:問い合わせ
③ Browser Use(ブラウザ ユース)
Browser Useは、AIエージェントがChromベースのブラウザを操作できるようにするオープンソースのPythonライブラリ(※)です。
LLMと連携し、リンクやボタンの判定、クリック、入力、スクロールといった一連のウェブ操作をプログラム経由で実行できます。フォーム入力や情報取得など、幅広いブラウザタスクをPythonコードで自動化できる点が特徴です。
本体はMITライセンスで公開されており、セルフホスト(自分のPC/サーバーで動かす)であれば無料で利用できます。
一方、より安定した環境・プロキシ・ステルスモード・永続セッションなどを備えた「Browser Use Cloud」も提供されており、大規模処理や商用利用を想定したユーザー向けにマネージド基盤が用意されています。
※ コードを書くことで、AI にブラウザ操作を任せられる開発者向けのツール
◆料金プラン(Browser Use Cloud)
オープンソース版(セルフホスト)は無料
・Business:月額 500ドル
・Scaleup:月額 2,500ドル
・Enterprise:問い合わせ
④ Project Mariner(プロジェクト マリナー)
Project Marinerは、Google DeepMindが開発している、ブラウザを自律操作できる AI エージェントの研究プロトタイプです。Chrome上のテキストや画像、入力欄などを読み取りながら、状況に応じて次の行動を判断し、クリックや入力といった操作を段階的に進めていきます。
単なる自動化スクリプトではなく、ページを「観察 → 計画 → 実行」という流れで理解しながら進むため、情報検索からフォーム入力、ECでの購入手続きのような複数ステップの作業まで一貫して任せられるのが特徴です。
一度タスクの流れを覚えさせ、その後は似た作業を再実行できる「Teach-and-Repeat」に対応しているなど、研究段階ながら実用性を意識した設計になっています。
ただし、2025年12月時点では、米国の一部ユーザー(AI Ultra サブスクライバー)向けの限定提供となっております。
◆料金プラン
・Google AI Ultra:月額 249.99ドル
AIによるブラウザ操作の部署・職種別の活用例
ここでは、AIによるブラウザ操作を実際の業務上でどのように活用できるのかについて解説します。以下に、部署や職種ごとの活用例をまとめましたのでご覧ください。
◆ブラウザ操作AIの活用例一覧
部署・職種 | 活用例 |
|---|---|
営業 | ・顧客リストへの新規情報入力 ・営業支援SaaSから案件情報を取得し、別ツールへコピー ・取引先サイトから最新価格や在庫を確認して日報へ自動転記 ・営業資料に必要な競合情報の定点チェック |
マーケティング | ・広告管理画面の日次数値を自動取得し、スプレッドシートへ転記 ・GA/GSCからのデータ抽出とレポート化 ・キャンペーンフォームのテスト自動化 ・競合LPのスクリーンショット収集と記録 ・各ツールのCSVを夜間に自動ダウンロード → 整形 → グラフ作成 |
人事・総務 | ・勤怠システムからの勤怠データDL → 給与システムへの転記 ・経費精算システムからレシートデータを収集して会計ソフトに登録 ・採用管理ツールへの応募者情報入力 ・社内SaaSの契約更新画面チェック、利用ユーザー数の記録 ・出張手配(航空券/新幹線の予約) |
カスタマーサポート | ・FAQページ検索 → 回答候補の抽出 → テキスト生成 ・顧客情報(購入履歴や問い合わせログ)を複数SaaSを横断して取得 ・返金/キャンセル処理の申請フォーム入力 ・外部ツールからの履歴ダウンロード(ログ・チャット記録など) |
EC運営 | ・受注管理画面での注文確認 → 追跡番号の貼付け → ステータス更新 ・商品登録 ・モール(楽天やAmazon)と自社ECの在庫数チェック → 修正 ・メーカーサイトから仕入れ価格・在庫を確認して自社管理画面に反映 |
ブラウザ操作は一見シンプルに見えますが、各業務において複数サービスをまたぐ導線が存在します。
例えば、営業であれば、顧客のウェブ問い合わせを確認し、CRMに登録し、フォームに情報を転記し、資料請求の手続きを行うといった一連のブラウザ操作が日常的に発生します。
また、総務・事務も同じく、出張手配であれば航空券サイトで検索、会社の申請フォームへ入力、承認後に予約を確定といった複数画面の往復が必ず存在します。
EC運営では、受注管理画面・出荷システム・在庫管理ツール・会計SaaSをまたぎながら、SKU登録や配送番号反映といった操作を何度も繰り返すことになります。
このように、点在する操作を跨いで実行できるのがブラウザ操作AIの強みです。人がブラウザで行っている作業そのものをAIが肩代わりするという柔軟性があるため、業務を問わず、ユースケースはほぼ無限に広がります。
AIによるブラウザ操作の5つのメリット
それでは、AIによるブラウザ操作が企業にもたらす代表的なメリットを5つに絞って解説します。
メリット① 作業工数の大幅削減
ブラウザ上で繰り返されるクリックや入力、画面遷移といった手作業をAIがそのまま代行するため、作業量を大きく圧縮できます。
特に情報収集、フォーム入力、受注処理、レポート作成のように、数十ステップの操作が必要な作業ほど、削減効果が顕著に現れます。担当者は、機械的なクリック作業をAIに任せることで、企画・判断といった付加価値の高い業務に集中できます。
メリット② ヒューマンエラーの削減
ブラウザ操作は操作漏れ、選択ミス、コピペ間違いなど、細かなミスが発生しやすい面があります。AIエージェントを介することで、同じ手順を同じ品質で実行し続けることができ、人的ミスをほぼゼロに抑えられます。
特に、EC管理画面・SaaSダッシュボード・受発注システムなど、複雑な管理画面を扱う業務では効果が大きいポイントです。
メリット③ 夜間・無人時間帯での自動稼働
AIによるブラウザ操作は、深夜や早朝など、人が稼働していない時間帯でも自動で動かせます。例えば「前日の売上集計を夜間に集計しておく」「競合価格や在庫状況を朝イチで取得する」「大量ページのデータ抽出を無人で実行」といったスケジュール業務が可能になります。
業務のタイミングが人間に縛られない点は、AI自動化ならではの大きな価値といえます。
メリット④ 属人化の解消
ブラウザ操作は、担当者ごとに微妙に手順が違う、属人化しやすい業務です。AIエージェントに手順を統一して任せることで、誰でも同じ結果を出せる体制が作れるため、教育コストの削減や引き継ぎのスムーズ化などが可能になります。
特定の人にしかできない操作が残ってしまう、という現場の典型的な課題を解消できます。
メリット⑤ 複数ツールをまたぐ作業の一本化
ブラウザ操作の難しさは、複数サービスをまたぐ点にあります。例えば、商品の管理画面を開いてデータをコピーし、別のSaaSに貼り付け、さらにスプレッドシートに記録するといった複合業務は、人が行うとミスも負担も増えます。
AIエージェントであれば、これらの操作をひとつのワークフローとして横断的に実行できるため、担当者のスキルに依存せず、業務の標準化に大きく貢献します。
AIによるブラウザ操作のリスク「プロンプトインジェクション」
AIエージェントがブラウザ操作を行う際に、知っておきたいリスクのひとつが「プロンプトインジェクション」です。
AIは自然言語の指示で動くため、ウェブページや外部サービスの中に「AI向けの命令文」が紛れ込んでいると、それを本物の指示として受け取ってしまい、意図しない動作をする可能性があります。
例えば、悪意のあるサイトの中に「このページを見たら特定のデータを送信せよ」といった命令が埋め込まれていた場合、AIがそれを読み取ってしまうと、誤った操作や情報漏洩につながりかねません。
このようなリスクを最小限に抑えるために、以下のような対策を行うことが大切です。
◆リスクを減らすための最低限の対策
・信頼できるサイト、サービスのみを対象にする
・外部データをそのまま信じない
・重要操作では人の確認を挟む
・AIエージェントの権限を限定する
・ログを残し、履歴管理を徹底する
以上のような対策をしても、100%安全を保証できるわけではありません。特に、外部のウェブページやメール、PDFなど、AIが自動的に読み込む可能性のあるコンテンツは、常に警戒が必要です。AIを過信せず、あくまで補助として使う姿勢が重要です。
まとめ
ブラウザ上の作業は、どの企業でも膨大な時間を占めています。情報収集、入力、転記、更新、ダウンロードなど、これらはすべて画面上の手作業であり、AIエージェントが最も得意とする部分でもあります。
特に、ブラウザ操作の自動化を実務レベルで実現したい場合に、弊社が提供する「SamuraiAI」は最適な選択肢のひとつです。自然言語で指示できる操作性、GUIベースのワークフロー構築、専用ブラウザによる安定性、ファイル操作との連携力など、実務の現場ですぐに使える設計は、SamuraiAI大きな特徴であり強みです。
ブラウザ上の反復作業をなくし、より本質的な業務へリソースを振り向けたい方は、ぜひSamuraAIの導入をご検討ください。詳細は、下記公式サイトよりご確認いただけます。