今からAIを導入するための「AIの使い方」を10分で解説

AIの活用は急速に広がり、日々の業務の中でも文章作成や情報整理、アイデア出しなど、さまざまな場面で使われるようになりました。
その一方で、AIの使い方が分からない、あるいは業務にどう活かせばよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
AIツールは増え続けているものの、断片的な情報だけでは実務での活用イメージを持ちにくいため、便利そうだと感じながらも、本格的な活用に踏み出せていないケースも少なくありません。
そこで本記事では、ワークフロー型AIエージェント「SamuraiAI」の開発を手がける株式会社Kivaに所属する筆者が、実務の視点からAIの使い方について分かりやすく解説します。
使い方の基本やプロンプトの書き方のコツや注意点など、実務におけるAIの使い方の全体像が10分で理解できる構成にまとめましたので、AIを使い始めた方や、これからAIを導入する企業担当者はぜひ参考にしてください。
4段階で広がるAIの使い方
現在、ビジネスの現場で語られる「AI活用」の多くは、文章生成や要約、アイデア出しなどを行う生成AIを中心に広がっています。実際に、AIの使い方を知りたいと考えたとき、多くの人が最初に触れるのも、ChatGPTのような生成AIです。
ここでは、まず生成AIを例に取りながら、AIの使い方が単発の作業支援から実務の支援へとどのように進んでいくのかを段階的に解説いたします。以下の図をご覧ください。
◆生成AIの使い方は4段階で広がる

上図が示す通り、生成AIの活用は、単に文章を作るツールとして始まり、やがて思考整理や業務支援へと広がっていきます。
最初の段階では、検索の代わりに調べ物をしたり、文章を要約したりといった情報整理の用途が中心です。そこから、メールや議事録、提案書の下書き作成など、具体的な成果物を生み出す用途へと進みます。
さらに活用が進むと、企画の発想支援や思考の壁打ちといった判断や検討を助ける役割を担うようになり、最終的には定型業務の一部を任せるなど、実務そのものをサポートする段階に至ります。
ここで重要な点は、これらが別々の使い方ではなく、AIの使い方が段階的に深まっていくプロセスだということです。そして、この先は個別の作業支援を超えて、業務全体を動かす形へと発展していきます。
このように、生成AIの使い方は段階的に進んでいきますが、すべてを一度に実践することではなく、自分が今どの段階にいるのかを知ることが重要です。それを知ることで、次に何を試すべきかも自然と見えてくるはずです。
AIの使い方で押さえておくべき「プロンプト」の基本とコツ
生成AIを使うとき、多くの人が最初に考えるのは「良いプロンプト(指示)の書き方」です。実際に、プロンプトはAIの使い方の基礎となる部分であり、プロンプトの書き方を少し変えるだけで、同じAIでも結果が大きく変わります。
プロンプトをただコピペする定型文として扱うだけでは、安定した成果を出すことはできません。ここでは、AIをビジネスで実際に使うために必要なプロンプトの考え方・作り方について解説いたします。
プロンプト設計の基本原則
プロンプトを設計する上で、まず最初に押さえておきたい基本は以下の3つです。
① 目的を明確にする
プロンプトを書くとき、まず最初に考えるべきは「このAIに何をさせたいのか?」というゴールです。曖昧な指示をすると、曖昧な出力結果しか返ってきません。
◆曖昧な指示
マーケティングのレポートを書いて。
これでは、「対象」「分量」「目的」のすべてが不明です。その結果、方向性のばらついた内容になりやすくなります。
◆目的を明確にした指示
BtoB SaaS企業のマーケティング担当者向けに、リード獲得施策を整理したレポートを作成してください。
条件: - 2025年時点で一般的とされる施策を中心にする - 重要度の高い順に5つ挙げる - 各施策について「概要」「期待できる効果」「実施難易度」を記載する - 全体を1,000文字程度にまとめる
このように書くことで、「対象読者」「内容範囲」「構成」「分量」が明確になり、実務で使いやすいレポートが出力されます。
② 文脈を補完する情報を提供する
AIは、状況や背景を自動で理解しているわけではありません。そのため、前提条件や目的、想定している利用シーンなど、文脈となる情報が不足していると、一般的で抽象的な回答になりやすくなります。
◆文脈を補ったプロンプト
2025年以前のデータをもとに、BtoB SaaSのリード獲得施策を、
- 目標(売上・獲得数など) - 成果指標(KPI)
の観点から整理してください。
このように、必要な背景情報を補うことで、具体的で実務に近い内容で出力されやすくなります。この点は、生成AIを業務で活用するうえで、特に重要なポイントとなります。
③ 出力形式を指定する
プロンプトでは、「どの形式で出すべきか」を明示することが重要です。生成AIは指示がない場合、文章形式で自由に回答するため、そのままでは資料やメモとして使いにくい出力になることがあります。
◆出力形式を指定したプロンプト
BtoB SaaSのリード獲得施策について、以下の形式でレポートを作成してください。
出力形式: - 見出しを付ける - 各施策を箇条書きで整理する - 「概要」「期待効果」「実施難易度」を項目として記載する
このように、形式(構成)を指定することで情報が構造化され、そのまま資料の下書きなどとして使える形で出力されます。
④ サンプル(見本)を提示する
前項では形式の指定について説明しましたが、もし言葉で形式を伝えるのが難しい場合、期待する「出力サンプル」を作って、そのままプロンプトに含めることで精度が大きく向上します。
この手法は専門用語で「Few-shot プロンプティング」と呼びますが、ビジネス実務では必須のテクニックとなります。
◆形式にサンプルを指定したプロンプト
以下の形式でレポートを作成してください。
出力サンプル: 施策名:ウェビナー共催 概要:ターゲット顧客層が重なる非競合企業と共同でウェビナーを開催する。 期待効果:自社リスト外へのリーチ。見込み顧客〇〇件の獲得。 実施難易度:中(調整に時間が必要)
このように、具体例を1つか2つ見せるだけで、AIが意図を理解しやすくなり、それに倣った回答を出力します。
プロンプトの構造を理解する
質の高い生成結果を生み出すプロンプトには、以下のような基本構造があります。
◆プロンプトの基本構造
【役割・制約】 あなたは◯◯として振る舞ってください。
【対象・目的】 誰に・何を・なぜ
【出力形式】 見出し・箇条書き・テーブル・具体例
【背景情報】 必要なデータや前提条件
【指示内容】 AIに実際にやってほしいこと
このように、質の高い生成結果を生み出すプロンプトは、いくつかの要素に分解することができます。
この構造を毎回すべて書く必要はありませんが、特に【役割】は重要です。「優秀なマーケターとして」「辛口の編集者として」など、どんな専門家として振る舞ってほしいかを定義することで、AIの回答の視座や専門性が大きく変わります。
実務向けのプロンプトテンプレート
ここまで解説した内容を踏まえて、BtoBマーケティングを想定したプロンプトを以下に用意しましたので、テンプレートとして活用してみてください。
あなたはBtoB SaaS企業のマーケティング戦略担当者として振る舞ってください。
制約: - 月間予算は50万円以内 - 3か月以内に成果検証が可能な施策に限定する
以下の条件で、新規リード獲得数を増やすためのマーケティング施策案を提案してください。
前提: - 主なターゲットは従業員50〜300名規模の企業の情報システム部門 - 現在はWeb広告とホワイトペーパー施策が中心 - 月間リード数は約80件
出力形式: - 施策名(見出し) - 施策の概要(箇条書き) - 想定される効果 - 実施難易度(低・中・高) - 必要な準備
プロンプトは長いほど良いわけではありません。重要なポイントは「より具体的であること」です。AIを使っていく中で、このバランスを体感できればAI活用は一段深くなるはずです。
プロンプトは一度で完成しないことを理解しておく
ここまで紹介したプロンプトの書き方しても、AIが一度で完璧な回答を出してくれるとは限りません。むしろ、最初の回答が期待と少し違うといった場合の方が多いでしょう。
しかし、重要なのは、そこであきらめずにAIと対話を繰り返して修正していくことです。もし、期待と異なる回答が返ってきた場合は、以下のように改めて指示を出します。
◆修正を促すプロンプト
「視点が少しずれている。〇〇の観点を重視して書き直して」
「具体例が足りない。BtoBでの事例を2つ追加して」
このように、出力結果を見てプロンプトを都度微調整していきます。このようなやり取りを繰り返すことで、そのチャット内での文脈が深まり、回答精度が期待値へと近づいていきます。
5つの用途におけるAIの使い方
ここでは、ビジネスシーンで特に利用されることの多い5つの用途に絞って、生成AIをどのように使えるのかを解説していきます。
ここで紹介する使い方は、いずれも特別な知識を必要とせず、日々の業務の中でそのまま試せるものなので、まずは自分の業務に近い用途から確認してみてください。
用途① 文章の作成
生成AIが最も活用されているのは、メールや議事録、企画書などの文章作成の分野です。
例えば、社内向けの案内文の下書きや会議内容の要約、提案書の構成案作成といった作業は、生成AIに任せることで 短時間でたたき台を用意できます。
重要なのは、完成品を一度で得ようとするのではなく、下書きを素早く作る道具として使うことですが、このような使い方だけでも、日々の作業時間は大きく短縮されます。
用途② 情報の整理や要約
調査資料や長文のドキュメントを扱う業務では、情報の整理や要約に役立ちます。
具体的には、複数記事の要点比較、長文レポートの要約、重要な点を箇条書きにして整理するといった作業を自動で短時間で行えるため、情報収集から意思決定までのスピードが向上します。
実務においては、要約結果をそのまま使うのではなく、判断材料を素早く得るための補助として使うことが重要になります。
用途③ アイデア出しや思考整理
AIは正解を出すだけでなく、考えを広げるツールとしても活用できます。
企画テーマの候補出しや課題の分解、別の視点から新たな提案をしてもらうなど、思考の壁打ち相手として使うことで、一人では出にくい発想を得られることがあります。
ただし、生成されたアイデアの精査と最終判断は人間が行う必要があります。あくまでAIは検討の質を高める補助ツールとして位置づけることが大事です。
用途④ 画像生成や資料作成
文章だけでなく、画像や資料の作成にも生成AIが活用されています。
図解イメージやバナー案の生成からスライド構成の提案まで、これまで専門ツールや制作工程が必要だった作業も、短時間で方向性を検討できるようになりました。
作成の初期検討の段階では、完成度よりスピードを重視した「試作」として活用できます。
なお、AIで作成した画像は、多くの場合そのまま業務で利用できますが、著作権や利用規約への配慮は必要です。特に、既存の作品や特定の作家の作風に似た(強く依拠した)生成結果は、権利面の問題につながる可能性があります。
そのため、実務においては商用利用が認められたサービスを使い、特定作品への類似を避けるなどの基本的な対応を取り、安全性を保ちながら活用することが重要になります。詳しくは、下記の文化庁の資料をご覧ください。
用途⑤ 定型業務の一部を任せる
生成AIの活用が進むと、単発の作業支援を超えて定型業務の一部を任せる使い方が見えてきます。
例えば、定期レポートの下書き生成やデータ整理の手順化、あるいはテンプレート文面の作成などのルーティン作業です。
このような業務をAIに手伝ってもらうことで、人は判断や改善といった重要な作業に時間を使えるようになります。
そしてこの流れは、個別作業の支援から業務全体の進め方そのものへと少しずつ広がっていきます。
このように、AIの使い方は文章作成から情報整理、思考支援、資料作成まで、さまざまな用途に及びます。まずは、自分の業務の中ですぐに試せそうな用途を一つ選び、実際に使ってみましょう。
業務でのAIの使い方における5つの注意点
AIは、文章作成や情報整理などを効率化できる一方で、使い方を誤ると、情報の誤りや漏えい、権利トラブルにつながる可能性があります。
ここでは、AIを仕事で使う上で特に重要な5つの注意点を解説いたします。
注意点① 出力結果を鵜呑みにしない
生成AIは、もっともらしい文章を作るのが得意ですが、内容が正しいとは限りません。むしろ、「間違っていて当たり前」「この結果は本当に正しいのか?」という意識を持っておくべきです。
特に、事実関係が必要になるタスク(数値、制度、固有名詞、引用など)では、必ず一次情報で確認する前提で使う必要があります。
◆実務での対策例
・数値や統計は、元データ(公式統計・一次資料)を確認する
・断定表現は避け、根拠を求める(「出典も併記して」など)
・重要な判断に使う場合は、人が最終レビューする
AIを使っていると、「調べた気にさせる」ことがよくあります。そのため、確認を省略しない運用が重要であり、AIの使い方として最も基本となる考え方です。
注意点② 機密情報・個人情報を入力しない(社内ルールを作る)
生成AIに入力した内容は、サービスや設定によってはログに残ったり、学習や品質改善に利用されたりする可能性があります。この点は、法的な問題だけでなく、社内の情報管理としても非常に重要です。
◆入力を避けるべき情報の例
・顧客名、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報
・社外秘の資料、契約情報、価格、未公開の施策
・特定される恐れがある社内データ(売上、顧客リスト、原価など)
◆実務での対策例
・入力前に固有名詞を伏せる(A社、B社、顧客Cなど)
・目的に必要な範囲だけ情報を渡す
・チーム内で、入力OK/NGを簡単に決めて共有する
ここで特に重要なのは、利用者個人のモラルや判断に任せないことです。人によって扱い方が違う状態は情報漏えいリスクを高めるため、取り扱いの基本ルールを社内方針として明確に定めることが不可欠です。
注意点③ 著作権・利用規約に配慮する
前項でも解説したように、AIで作成した文章や画像においては、著作権や利用規約の観点で注意する必要があります。
特に画像生成では、既存作品に似た結果が出る可能性があるため、意図せずトラブルにつながる場合もあります。
◆実務での対策例
・商用利用が認められているサービスを使う(規約も確認する)
・プロンプトで特定の作家名や作品名、ブランドの作風を強く指定しない
・ロゴ、キャラクターなど権利が明確な対象は生成しない
・公開物に使う場合は、必ず人が最終チェックする
ここでのポイントは、使えるかどうかを感覚で判断せず、規約確認と最終レビューを行うことで安全性が高まります。
注意点④ 判断・責任までAIに任せない
AIは、現実の状況や責任まで含めて判断することはできません。どんな作業をAIに任せたとしても、最終判断は人が担う必要があります。
生成AIは非常に便利ですが、責任の所在は移動しないため、最終的に誰が責任を持つかを明確にして使うことが重要です。
注意点⑤ 期待値を上げすぎない
AIは万能ではなく、得意分野では強い一方、不得意分野では結果が安定しません。そのため、得意・不得意を理解しておくことが大事です。
◆比較的得意な分野の例
・文章の下書き、要約、構造化
・アイデア出し、比較整理
・定型的な表現の作成
◆注意が必要な分野の例
・最新情報や特定分野の専門判断
・社内独自ルールに基づく処理
・数値根拠が必須の作業
このような得意分野と生成結果に注意が必要な分野を意識しておき、期待値を適切に置くことで、「使えない」と感じて離脱するのを防ぐことができます。
個別の効率化から業務全体へ広がるAIの使い方
ここまで、個別の作業を支援する形でのAIの使い方を解説してきました。その使い方は、どれも業務を効率化しますが、多くの場合は人が指示し続ける前提になります。
しかし、実際の業務は単発の作業ではなく、複数の工程が連続して進みます。そのため、近年のAI活用は、一つの作業を速くすることから「業務の流れそのものをどう動かすか」へと焦点が移ってきています。
・必要な情報を集める
・内容を整理する
・判断に使える形にまとめる
・次の行動につなげる
このような一連の業務プロセスまでAIが関与することで、個別作業の効率化にとどまらない活用が可能になります。
その役割を担う「次世代のAIソリューション」として注目されているのが、業務単位で処理を実行する仕組みを備えた「AIエージェント」です。
AIエージェント「SamuraiAI」が実現する業務の自動化
AIエージェントを理解するため、従来の生成AIとの役割の違いを比較してみましたので、以下をご覧ください。
◆従来の生成AIとAIエージェントの違い
項目 | 従来の生成AI | AIエージェント |
|---|---|---|
処理の単位 | 単発の指示に応答 | 目的に基づき複数工程を連続実行 |
支援する範囲 | 個別作業の支援 | 業務フロー全体の進行を支援 |
人の関与 | 都度指示が必要 | 目的設定と最終判断を主に担当 |
従来の生成AIが、作業を速くする存在だとすると、AIエージェントは、業務の流れを前に進める存在と位置づけることができます。この違いによって、AIの使い方は個人の効率化から、組織全体の生産性向上へと広がります。
弊社が提供する次世代ワークフロー型AIエージェント「SamuraiAI(サムライ エーアイ)」は、自然言語による指示をもとに、ウェブブラウザ上での操作をAIが自律的に実行し、あらかじめ設計された業務フローに沿って処理を進めます。
◆ワークフロー型AIエージェント「SamuraiAI」

SamuraiAIの大きな特徴の一つは、特定のAPI連携に依存せず、人が画面上で行える操作そのものを対象として自動化できる点です。これにより、既存の多くのウェブサービスを含め、現実の業務環境に近い形で自動化を適用できます。
また、ワークフローの設計や修正は、専門的なプログラミングを必要とせず、自然言語ベースで直感的に構築できます。そのため、現場の担当者自身が、業務内容に合わせて柔軟にフローを調整できる点も実務上の大きなメリットです。
◆SamuraiAIのワークフローの設計画面

処理の進行には大規模言語モデル(LLM)が活用されており、単純な条件分岐にとどまらず、文脈理解や状況判断を伴う形で業務を進められます。これにより、SamuraiAIは従来のAIの使い方を、業務プロセス全体を支援するパートナーへと進化させることができます。
SamuraiAIについての詳細は、下記の公式サイトをご覧ください。
まとめ
AIは、はじめは「文章作成・要約」「情報整理」「アイデア出し」といった身近な使い方から始まりますが、AI活用の本質は、単なる作業効率化だけではありません。
業務の流れそのものにAIが関与することで、人は判断や改善といったより重要な役割に集中できるようになります。その実現手段の一つが、業務単位で処理を進めることができる「AIエージェント」です。
SamuraiAIは、AIの使い方を単発の作業支援から、業務全体を進めるパートナーへと進化させるための基盤です。
もし、個別作業の効率化にとどまらず、業務全体の進め方を見直したいと考えているのであれば、SamuraiAIは最適な選択肢となります。
SamuraiAIの詳細や活用方法について詳しく知りたい方は、以下の公式サイトをご覧いただき、お気軽に資料をご請求ください。