プロが解説する「AIエージェントの企業活用事例12選」

AIエージェントは、単なる対話型AIにとどまらず、自ら状況を把握し、外部システムを操作しながら自律的に業務を遂行できる新しいテクノロジーです。
ビジネスにおいては、営業・マーケティング・カスタマーサポートなど幅広い分野で活用が進んでおり、従来の業務プロセスを大きく変える可能性を秘めています。
しかし、AIエージェントが「実際に自社でどう使えるのか」「どんな効果があるのか」がイメージできずに戸惑う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、AXプラットフォーム「SamuraiAX(サムライ エーエックス)」を提供する「株式会社Kiva」に所属する筆者が、AIエージェントの代表的な12の活用例や企業の実際の取り組みを紹介します。
AIエージェントの導入を検討する上で、自社の業務にどう適用できるのかを考えるヒントとしてご活用ください。
AIエージェントの企業活用事例12選
AIエージェントは、指示に答えるだけの生成AIと違い、状況を自分で把握し、判断し、外部ツールを操作して仕事を進める“動くAI”です。
ここでは、ビジネスシーンにおける、AIエージェントを活用した以下の12の実務事例を紹介します。
① 営業:見込み顧客リストの自動生成とアポ化
② マーケティング:競合調査レポートの自動発行とアラート
③ 広告運用:安全策を備えた自動最適化
④ カスタマーサポート:即時回答と担当の振り分け
⑤ サポート運営:レポート自動化と原因分析
⑥ 経理:請求書の読取、照合、支払準備まで半自動
⑦ 人事:応募者スクリーニングと面接調整
⑧ 小売:在庫監視と自動発注
⑨ 医療:画像診断補助
⑩ 製造:予知保全と工務手配の自動化
⑪ ホテル・旅館:予約運用と体験のパーソナライズ
⑫ 法務:契約レビューと交渉支援
いずれもAPI連携・社内ツール操作・例外処理・権限管理・監査ログなど、AIエージェントならではの「自律的に行動する」事例です。
なお、紹介する事例は、AIエージェント活用の一般的なイメージです。実際の機能や適用範囲は導入するAIエージェントごとに異なります。
事例① 営業:見込み顧客リストの自動生成とアポ化
・課題
リスト作成や重複チェックに時間がかかる。反応率が低い。日程調整の往復で機会損失が出る。
・プロンプト例
「毎朝、条件に合う見込み顧客を抽出してCRMに登録してほしい。優先度をつけて連絡し、未返信は自動フォロー。反応があればカレンダー連携で面談を確定し、やり取りの結果を記録しておいてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
1. 外部/社内データを定期取得
2. 適合度の採点、除外ルール、優先順位の決定
3. 連絡→フォロー→日程確定(メール/CRM/カレンダー連携)
4. 反応率・アポ化率を集計し、次回の送信タイミングや文面を更新
外部サイトや社内データを定期的にチェックし、条件に合う企業と担当者を見つけて重複を除き、スコア順にCRMへ登録します。
候補者には自動でパーソナライズした連絡を送り、反応に応じてフォロー方法を切り替え、面談が決まったらカレンダーと連携して日程を確定し、やり取りの内容と結果を記録します。
連絡の回数・言い回し・連絡対象外の条件は最初に決めたルールに沿って実行し、さらに反応率・アポ化率などの数字を定期的に集め、送信のタイミングや文面を継続的に改善していきます。
事例② マーケティング:競合調査レポートの自動発行とアラート
・課題
競合の価格・機能変更やニュースに気づくのが遅く、対応が後手に回る。情報収集とレポート化に時間がかかる。
・プロンプト例
「競合サイト、価格表、ニュースを監視し、重要な変化は速報してほしい。週次で差分レポートを自動更新・配信してほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・情報源の巡回と差分の自動抽出
・重要度の基準に沿った判定(価格改定・大型発表など)
・速報アラートおよび週次レポートの更新・配信
・変更履歴の蓄積と要約の継続改善
競合のページや公開資料を定期チェックし、前週からの変化点だけを自動で拾い上げます。変化が大きい場合はすぐに通知し、通常は週次で差分レポートを整形して配信します。
何が重要かの基準を最初に決めておき、要約精度はレポートの反応を見ながら改善します。
事例③ 広告運用:安全策を備えた自動最適化
・課題
日々の入札調整や配信面の切替に追われ、無駄コストが発生する。悪化時の戻し(ロールバック)が遅れる。
・プロンプト例
「CPAやROASを監視し、自動で入札・配信面・予算配分を調整。成果が悪化したらすぐ戻せるようにしてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・成果指標(CPA/ROASなど)の常時監視
・上限予算や禁止ワードなどの運用ルールにそった自動調整
・悪化時はすぐに元の設定に戻す
・週次で施策と結果の要約と共有
日々の指標を見ながら、小刻みに入札や配信面を調整します。事前に決めた「やってよい/ダメ」の線引きに沿って動き、このラインを越えそうなら止まります。成績が落ちたら元に戻すまでを自動で行い、実施内容と結果を週次で要約します。
事例④ カスタマーサポート:即時回答と担当の振り分け
・課題
問い合わせの初動が遅く、簡単な要件にも時間を取られる。重要案件の見落としが起きる。
・プロンプト例
「本人確認の上、できる手続きは即処理してほしい。難しい案件は優先度に応じて適切な担当へ自動振り分けしてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・問い合わせ内容の自動理解と本人確認
・パスワード再発行、配送状況確認などの即時処理(外部ツール操作)
・複雑案件をチケット(追跡カード)に変換し、SLAの期限と担当者のスキルに合わせて自動振り分け
・期限超過の兆しがあれば自動でエスカレーション
・全やり取りと操作の記録、監査対応
簡単な案件は、既存システムを操作してその場で解決します。難しい案件は優先度とスキルに合わせて担当へ自動で回し、期限と状況も追跡します。対応内容はすべて履歴として残り、あとから確認・改善に使えます。
事例⑤ サポート運営:レポート自動化と原因分析
・課題
FCRやNPSなどのKPI集計に手間がかかり、増えている問い合わせの原因特定が遅い。
・プロンプト例
「毎週、主要KPIと増加中のテーマを見える化し、改善案まで提示してほしい。会議用の要点スライドも作ってほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・全チケットの自動集計とKPIの可視化
・増加テーマ、代表ログの抽出
・テンプレ修正やFAQ追記などの改善案提示
・定例会議用スライドの自動作成、配布
数値とログを横断して、伸びている問い合わせの共通点を見つけます。改善案を具体的に出し、次回の対応テンプレやFAQに反映できる形で提案します。会議前には、要点だけのスライドを自動で用意し、関係者へ配布します。
事例⑥ 経理:請求書の読取、照合、支払準備まで半自動
・課題
請求書入力・照合が手作業で、ミスや二重計上のリスクがある。支払承認が期日に間に合わない。
・プロンプト例
「請求書を自動で読み取り、発注・納品と照合。問題なければ会計登録と支払い準備まで進めてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・請求書の受領監視と自動読取
・発注書や納品データとの突合
・差異の自動問い合わせ→解消→会計登録
・期日前の承認フロー起動
・重複・不正の自動検知
受け取った請求書を読み取り、関連データと照らし合わせます。もし差異があれば定型の問い合わせを自動送付し、解消後は会計へ登録します。また、支払期日から逆算して承認を回し、重複や不正の疑いがあればすぐ知らせます。
事例⑦ 人事:応募者スクリーニングと面接調整
・課題
応募者数が多く、要件適合の判定と面接日程の調整に時間がかかる。
・プロンプト例
「必須スキルに沿って候補者を絞り、合格者には課題案内と日程調整を自動で進めてほしい。連絡文案も用意してほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・応募書類の自動採点と順位付け(必須/歓迎スキルなど)
・合格候補への自動連絡、オンライン課題案内など
・候補者と面接官の空き時間を突合して日程確定
・面接後の評価回収、要約、合否文案の下書き
書類を要件に沿って並べ替え、通過候補へ自動で案内します。面接の空き時間を見て日程を確定し、当日の案内も送付します。面接後は評価の集約と要点整理まで行い、判断を早めます。
事例⑧ 小売:在庫監視と自動発注
・課題
欠品や過剰在庫が起きやすく、発注タイミングの判断が難しい。
・プロンプト例
「販売・在庫・季節要因を見ながら、下限前に自動発注してほしい。遅延が出たら代替手配を提案してほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・販売実績、在庫、リードタイムの統合と需要予測
・下限手前での自動発注(仕入先別の条件反映)
・物流遅延時の代替提案や店舗間移動の手配
・発注結果の振り返りと予測の更新
日々の売上と在庫から近い将来の不足を見積り、早めに発注します。遅延が分かったら代替案を出し、必要に応じて店舗間の横持ちも手配します。
また、発注後の結果を学習して、次回の予測と基準を更新します。
事例⑨ 医療:画像診断補助
・課題
画像枚数が多く、緊急度の高い症例を先に確認しにくい。所見作成に時間がかかる。
・プロンプト例
「X線・CTを自動解析し、疑わしい所見に印を付けて優先度を付与。所見の下書きと関連症例の参照も用意してほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・画像の受領、自動解析と疑わしい部位の提示
・緊急度に基づく読影キューの並び替え
・所見の下書きと参考症例や文献の提示
・医師承認後の確定・記録
画像から注意すべき箇所を示し、緊急度の高いものを先に回します。所見のたたき台と参考情報を添え、医師は確認・承認に集中できます。操作とアクセスはすべて記録され、安全に運用できます。
事例⑩ 製造:予知保全と工務手配の自動化
・課題
設備停止が売上に直結する。保全のタイミングと段取り決めが難しい。
・プロンプト例
「センサー値を見張り、劣化の兆しがあれば保全を自動起票。担当・部品・停止時間の提案まで行ってほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・振動、温度、電流値の監視と劣化兆候の検知
・作業指示の自動起票と担当割り当て
・必要部品の引当と不足時の手配
・稼働率への影響試算と最適停止時間の提案
・完了後の学習更新
設備劣化の兆しを早めに捉え、止める前提の段取りを自動で固めます。人員、部品、時間の条件をそろえ、影響が最小になるよう提案します。完了後は結果を学習して、次の検知精度を高めます。
事例⑪ ホテル・旅館:予約運用と体験のパーソナライズ
・課題
予約変更や要望対応に追われ、体験設計や提案に手が回らない。
・プロンプト例
「管理システム、OTA(楽天トラベル・じゃらん)、CRMをつないで、予約変更・事前案内・好みに合わせたプラン提案まで自動で進めてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・予約、顧客履歴、嗜好データの統合
・アレルギー対応や食事、温泉などの事前案内と提案
・天候や交通の影響を見てチェックインや送迎を自動調整
・滞在後のレビュー依頼や再訪クーポンの送付
顧客の過去の利用傾向を踏まえて、到着前に最適な提案を出します。天候や交通の乱れを見て予定を自動で調整し、滞在体験を守ります。退館後は、顧客へのお礼と次回提案までつなぎます。
事例⑫ 法務:契約レビューと交渉支援
・課題
業務委託、SaaS利用契約、NDAなどの条項チェックに時間がかかり、相手方との往復で進行が遅い。社内基準からのズレに気づきにくい。
・プロンプト例
「社内基準に照らして逸脱を指摘し、代替案を提示。承認後は返信文案を用意し、合意後の義務管理まで進めてほしい。」
◆AIエージェントの働き
この事例におけるAIエージェントの働きのポイントは下記の通りです。
・条項ライブラリとの照合と逸脱の自動マーク
・代替案の提示と社内承認フローの起動
・相手方への返信文案の下書き
・合意後の更新期限、通知義務などの自動管理
ドラフトを社内の基準と照らし合わせ、外れている箇所を示します。さらに、「こう直せば基準内」という代替案を提示し、承認までの流れも整えます。また、締結後の義務や期限も忘れないよう自動で管理します。
2026年、AIエージェントの導入はどこまで進んでいるのか
ここで、国内企業におけるAIエージェントの導入状況を確認しておきます。
株式会社矢野経済研究所が国内民間企業500社を対象に実施した法人アンケート(2025年6月末〜9月初調査)によると、生成AIを活用している企業は43.4%で、前年調査の25.8%から17.6ポイント増加しました。
一方で、生成AIを活用している企業のうち、AIエージェントを「利用中」と回答した企業は3.3%にとどまっています。「検討中」は13.5%、「関心がある・情報収集中」は49.3%で、関心は高いものの、本格的な利用はまだ一部の企業に限られている状況です。
また、市場全体も拡大を続けています。IDCによると、国内AI市場の支出額は2025年に2兆3,725億円となり、2029年には2.9倍の6兆8,897億円に達すると予測されています。
IDCは「2026年はAIエージェントの実ビジネス適用の元年」と位置づけており、ソフトウェアベンダーによるAIエージェント向けプラットフォームの提供やアプリケーションへの組み込みが2025年から始まり、2026年から実ビジネスへの適用が急成長するとしています。
つまり、多くの企業が「AIエージェントに関心はあるが、自社でどう使えばよいかを模索している段階」にあるといえます。だからこそ、具体的な活用イメージや他社の実例を知ることが、導入の入口として重要になります。
企業によるAIエージェント活用の5つの実例
ここまでは、AIエージェントの活用イメージとしての事例を紹介してまいりましたが、ここからは、実際にAIエージェントを導入している企業の取り組みを取り上げ、AIエージェントが現場でどのように使われているのか、3社の実例を紹介します。
企業実例① 明治安田生命保険
明治安田生命は、営業職約36,000人が使う営業支援AIエージェント「MYパレット」を導入しました。2024年10月に運用を開始し、デジタル秘書として新規開拓から提案、アフターフォローまでの業務を横断的に支援します。
このエージェントは、顧客の年齢や嗜好、契約履歴、地域特性などを分析して提案内容をアドバイスします。訪問時のヒアリング入力やお礼文の作成を支援し、音声入力にも対応します。導入後は、訪問準備や報告にかかる時間を従来比で約30%削減できたと説明しています。
同社は全社展開を見据え、Microsoft Azure上に「AI Hubプラットフォーム」を整備し、アクセンチュアとの包括的パートナーシップのもとで運用を推進しています。
2025年1月には、アクセンチュアと2030年3月までのパートナーシップ契約を締結しました。投資規模は約300億円を想定しており、MYパレットの機能を拡張しながら、営業職員だけでなく全職員の業務を支援するデジタル秘書の導入を目指しています。あわせて、内製で取り組みを継続するためのコア人材を少なくとも300人育成する方針です。
参考:明治安田生命、全社での生成AI活用視野に営業職3万6000人が使うAIエージェントを導入(DIGITAL X)、明治安田生命、生成AIの活用に300億円投資、デジタル秘書を全従業員に展開、内製人材も育成(IT Leaders)
企業実例② 株式会社サイバーエージェント
サイバーエージェントは、社内向けAIエージェント「CAアシスタント」の実装を進めています。
CAアシスタントは、広告運用のデータ取得→グラフ作成→効果分析を複数のAIが連携して自動化し、これにより、媒体ごとに形式が異なる指標を手作業で整えていた週次レポート作成は、1〜2日→約2分まで短縮しました。
担当者は「昨日の実績を比較して」など自然文で依頼でき、クリック率やコストを即時集計し、改善提案まで提示します。裏側では5体のエージェントが役割分担(データ抽出/可視化/分析など)し、営業・コンサルを中心に約200人が活用しています。
また、2026年4月20日には、広告配信運用AIエージェント「効果おまかせAI」の提供を開始しました。効果おまかせAIは、配信状況を24時間365日監視・分析し、入札・配信設定やクリエイティブのステータス変更、ターゲティング設計などを自動で実施します。
化粧品業界2社を対象とした2週間のパイロット運用では、コンバージョン数が56%向上し、CPA(顧客獲得単価)は36%改善しました。クリエイティブの改善機会を発見するまでの期間も50%短縮したとしています。
参考:サイバー、AIエージェントで広告効果分析 2分でグラフに(日本経済新聞)24時間365日、入札・配信設定を自動最適化する広告配信運用AIエージェント「効果おまかせAI」を提供開始(サイバーエージェント プレスリリース)
企業事例③ KPMG
KPMGインターナショナルは監査プラットフォーム「KPMG Clara」にAIエージェントを組み込み、内部統制評価や財務諸表分析におけるデータ集約・レビュー・文書化を自律的に支援します。
生成AIチャットで会計基準や社内ガイダンスを横断検索・要約し、監査関連ドキュメントの品質レビューやコーチングも行います。2025年8月の発表では、今後12か月で内部統制評価や財務諸表分析など対象プロセスを拡大する方針が示されました。
日本のあずさ監査法人でも、2025年7月以降、KPMG Clara AI Agentsの順次導入が進められています。あわせて不正対応に特化したAIエージェントも開発され、監査の現場への適用が始まっています。
AIガバナンスはKPMG Trusted AIに準拠し、監査人が高リスク領域に集中できる体制づくりを進めます。世界9.5万人規模の監査プロフェッショナルの生産性と品質向上を目指し、マイクロソフトとの提携の下で機能強化を継続します。
参考:KPMG、監査プラットフォームにAIエージェントを導入し監査業務を変革(KPMG ニュースリリース / 2025年8月21日)生成AIとAIエージェントで加速するAudit Transformation(AX)(KPMGジャパン)
AIエージェントに「向いている業務」と「向いていない業務」
ここでは、AIエージェントが活用しやすい業務と、あまり適さない業務について解説します。なお、本項の内容は、『AIエージェント革命 「知能」を雇う時代へ』(シグマクシス著)を参考・一部引用しています。
AIエージェントは「経験に基づいて次の言葉を予測する仕組み」で動作しているため、ルールに従って正確に演算する従来型プログラムとは根本的に性質が異なります。そのため、会計処理や厳密さが求められる業務においては、従来の専用システムのほうが処理のスピードと安定性において優位です。
一方で、AIエージェントは入力や出力の形式が一定でなくても柔軟に対応できるため、人手では膨大な時間を要する非定型業務に強みを発揮します。
例えば、社内外の多様な情報を検索・選別し、要約して報告書にまとめるといった作業は、人間であれば数日かかる場合もありますが、AIエージェントであれば短時間で完了できます。
また、問い合わせ窓口のように入力内容が多岐にわたり例外処理が多い業務にも適しており、従来は人手で対応していた個別作業を効率化できます。活動や結果を自動で記録・整理できるため、定期的な振り返りや改善につなげやすい点も利点です。
◆AIエージェントが向いている業務
・情報照会や調査依頼
ユーザーの多様な質問に応じて社内外の情報を横断検索し、文書を要約して提示するタスクはAIエージェントが得意とする領域です。
・過去実績の分析や少数多種の分析
表計算では煩雑になりがちなデータ処理や長期にわたる活動の振り返りも、エージェントなら素早く整理・可視化できます。
・窓口対応業務
入力内容にばらつきがあっても柔軟に処理できるため、人手による一次対応を大きく削減できます。
◆AIエージェントが向いていない業務
・会計や販売管理など定型処理
既存の情報システムが正確さと効率性で優れており、AIエージェントが担う必要はありません。
・短時間で大量のデータ加工が必要な業務
厳密で膨大なデータ処理は従来のプログラムや専用システムの方が高速かつ安定しています。
・承認や厳密な判断を伴う業務
明文化されたルールや承認基準に基づく判断は、AIエージェントの予測型の仕組みでは担保できません。
つまり、AIエージェントが力を発揮するのは「柔軟性や臨機応変さが求められる非定型業務」であり、「確実な正答や厳密な判断が要求される業務」は、必ずしもAIエージェントではなく、従来システムを利用したり、最終的に人間の判断に委ねるべきでしょう。
参考文献:シグマクシス『AIエージェント革命 「知能」を雇う時代へ』日経BP, 2025年, 224頁
現場ですぐに活用できるワークフロー型AIエージェント「SamuraiAX」
本記事で紹介したように、AIエージェントは業務の進め方を大きく変える力を持っています。最後に、実務で導入しやすい選択肢として弊社の「SamuraiAX(サムライ エーエックス)」をご紹介します。
SamuraiAXは、Microsoft 365をベースにClaude、Gemini、ChatGPTと連携し、「AXワークフロー」で企業のコア業務を自動化・改善するAXプラットフォームです。ツールを提供するだけでなく、大手企業の経営層やCDO・CIO出身者を含むAX顧問・AXスペシャリストが、戦略の策定から実装・定着までを支援します。
◆業務に合わせたワークフローの作成が可能

SamuraiAXには主に以下のような特徴があります。
◆SamuraiAXの主な特徴
・Microsoft 365 × Claude、Gemini、ChatGPTを組み合わせ、社内データを生かしたセキュアなAX基盤を構築
・ブラウザ操作、Excel連携、定刻実行などを組み合わせたAXワークフローで、競合調査や問い合わせ自動返信などのコア業務を自動化
・監査ログ・承認ゲートによる統制に対応(スタンダードプラン)
・業務棚卸し・優先度設定・PoC・展開までをAX顧問・スペシャリストが伴走支援
・無料のトライアル(新規登録で10クレジットを付与、有効期間90日、クレジットカード不要)から、個社向けにカスタマイズするエンタープライズプランまで対応
2026年7月にはSB C&Sと販売代理店契約を締結し、全国の販売ネットワークを通じた提供も始まっています。
SamuraiAXの活用例
SamuraiAXは、大手企業のさまざまな業務で活用されています。活用例の一部をご紹介します。
・口コミ自動返信AX(小売業)
Googleマップなどから店舗別のレビューを自動収集し、口コミの内容と感情に応じた返信文をAIが作成。店舗オーナーアカウントから返信を自動投稿します。導入後は返信工数が月あたり90%削減され、平均返信時間は6時間から3分に、返信カバー率は28%から96%に向上しました。
・競合商品調査AX(小売業)
毎日決まった時刻にワークフローを自動実行し、競合ECサイトを巡回して新商品情報を抽出。新商品があればExcelに追記・整形します。巡回工数は月140時間から8時間へ、調査工数を94%削減しました。
・その他の活用領域
EC・サービス業での顧客フィードバック対応の自動化(作業時間99%削減)、物流業での人員配置の最適化(配置計画工数80%削減)のほか、問い合わせ自動化、請求書集計、営業日報集計などにも活用されています。
AIエージェントは、単なる業務の自動化ツールではなく、現場の知恵を取り込みながら成長し続ける“新しい働き手”として位置づけられる存在です。SamuraiAXは、その特性を戦略から実務レベルまで一貫して実現するソリューションです。
自社の業務効率化や標準化を検討している方は、まずは小規模な業務からSamuraiAXを試し、その効果を実感してみてください。SamuraiAXの詳細は、下記の公式サイトをご覧ください。
まとめ
AIエージェントは、従来の生成AIを超えて業務を実際に担える存在へと進化しています。自社にAIエージェントを導入する際は、本記事で紹介したような活用例を参考に、まずは自社の業務上の課題を洗い出し、AIエージェントで代替・強化できる領域を特定することが重要です。
また、導入にあたってはスモールスタートで効果を検証し、徐々に活用範囲を広げていくのが現実的なアプローチといえるでしょう。今後さらに技術が進化すれば、AIエージェントは多くの企業にとって業務効率化や競争力強化の要となっていくはずです。
AIエージェントの導入を検討している方は、まずは現場で試せるAXプラットフォーム「SamuraiAX」を体験してみてください。無料トライアルから始められるので、小規模な業務から効果を実感いただけます。詳しくは下記公式ページをご覧ください。